受験生の方へ受験生へのメッセージ

教員からのメッセージ

挑戦する前から夢をあきらめていませんか?自由に夢を追えることは、大学生に与えられた特権です。ぜひ福岡大学法学部で、あなたの夢を実現させましょう。

私の研究分野

私の専門は「民事訴訟法」です。訴訟というと堅苦しいイメージをもたれるかもしれませんが、民事訴訟法は、市民の間のトラブルを解決し、公平、平等といった理念を希求するエキサイティングな法律です。私は、公害訴訟や医療過誤訴訟などの証明困難な訴訟において、いかにして「被害者=原告」の証明の負担を軽くするかという問題に取り組んでいます。このテーマに関心を持ったのは、学部時代に水俣病について学んだことがきっかけです。
水俣病の被害者救済に尽力された医師・原田正純先生の言葉に、「圧倒的に強い者に弱い者が立ち向かおうというときに、『中立である』というのは弱者のほうにつくということ。元々対等ではない者どうしの間に立ったときに何もしないのは、強いほうに味方することにしかならない」というものがあります。これは医学について語られた言葉ですが、訴訟においてもそっくりあてはまることです。すなわち、「被害者」対「国家」・「大企業」というような力関係に圧倒的格差のある訴訟においては、被害者=弱者に救いの手を差しのべることこそが民事訴訟法の理念なのです。

受験生へ向けてメッセージ

最近は受験生の間で法学部離れが目立っているようですが、何か誤解されているように思います。法学部は、弁護士や裁判官といった法曹を目指すためだけの学部ではありません。むしろ、法律家ではない一般市民が法律の知識をもっておくことが重要なのです。たとえば、世間では様々な詐欺が横行していますが、法律を少しでも知っていれば騙されることはありません。法学部で法律を学ぶことで、複雑な現代社会を賢く生き抜く知恵を修得することができます。
また、法律は無味乾燥で冷たいという印象を持たれているかもしれません。たしかに、法律はルールですから、冷たい面もあります。しかし、そんな冷たい法律に熱い血を流しこむのが、学問としての「法学」なのです。まさに法学部で学ぶのは、冷たい「法律」に血を通わせるための、熱い「法学」なのです。
夢を抱き、夢を追いかけることは、若い人に与えられた特権です。ぜひ福岡大学法学部で、あなたも夢を追いかけませんか?

「思い立つ 君が引き手の 鏑矢(かぶらや)は ひとすじにのみ 射るぞかしこき」‐西郷隆盛‐

安井 英俊 教授

異なるいろいろな意見を読み、聴き、その良いところと悪いところを理解し、どうしたら「より良い解決」につながるのかを考える。

私の研究分野

現在、日本は竹島や尖閣諸島、北方領土といった領土に関わる課題だけでなく、捕鯨やウナギ、マグロ資源の保存など食文化、海洋生物資源の利用に関わる問題にも直面しています。また、世界に目を向けると、武力紛争、難民、テロ、飢餓、大規模な人権侵害、地球環境の破壊など、多くの問題があります。国際法は、国々の共存を図るとともに、国々が協力し合うための法的な枠組みを作り出しています。国際法は、日本や世界が抱える問題を法的に解決するために利用できる道具のひとつです。
では、国際法は日本や世界が直面する問題をどのように解決することができるのでしょうか。そういうことを考えながら、条約法や持続可能な開発について研究しています。

受験生へ向けてメッセージ

法学部では、一般的にいえば、社会生活のなかで生じるいろいろな問題を解決し、その社会を構成する人々の間の関係を円滑に良好なものにするための道具のひとつである法律について学びます。ただ、ある問題を解決するために同じ条文を読んでも、何が「より良い解決」と考えられるのかは、人により、状況により、時代により異なります。法学部で勉強すると分かりますが、問題に対する答えが1つであることはないといってよいでしょう。正義や合理性という価値観も不変・普遍ではないです。だからこそ、判例や学説を調べたり、仲間と討論したり、考えたりすることが大事になります。法学部では、正解のない問題に取り組むために、異なるいろいろな意見を読み、聴き、その良いところと悪いところを理解し、どうしたら「より良い解決」につながるのかを考えることを学びます。ぜひ、法学部で一緒に学びましょう。

萩原 一樹 講師